何が欲しくって、あんな出鱈目を――よくまあ、しらじらしく云えると思いますよ しかしその周囲を囲繞する顔面的条件は如何な者でありましょう。 金田か？　何んだあんな奴 さよう教師ですからなと御客さんが云うと、金田君も教師だからなと云う。 それに以前からあまり数奇でない方だから 角屋敷の金田とは、どんな構えか見た事は無論ない。 吾輩はほかに能はないが意志だけは決して君方に負けはせんと剛情を張るのさ 偉大なる鼻がますます異彩を放って、迷亭も主人も有れども無きがごとき有様である。 　あまり迷亭の言葉が仰山なので、さすが御上手者の鈴木君も、こりゃ手に合わないと云う顔付をする。 それは承知さ、承知には相違ないがまだ延びるかと思ったから貰ったのさ 探険中は、ほかの事に気を奪われて部屋の装飾、襖、障子の具合などには眼も留らなかったが、わが住居の下等なるを感ずると同時に彼のいわゆる月並が恋しくなる。 二十三日に静岡で祝捷会があるからそれまでに間に合うように、至急調達しろと云う命令なんです。 それを勉強すると博士になれましょうかと聞く。 相変らず無邪気で愉快だ。