翌日とも云わずこれから出掛けようと勇猛精進の大決心を起して台所まで飛んで出たが待てよと考えた。 線が八本並んでもあとの句が出来ないと見えて、今度は筆を捨てて髭を捻って見る。 背いは見ればすぐ分るじゃありませんか、背の低いのは最初から承知で御貰いになったんじゃありませんか 線が八本並んでもあとの句が出来ないと見えて、今度は筆を捨てて髭を捻って見る。 標札はあるときと、ないときとありますよ。 しかし智識以上の珍宝が世の中にあろうか。 曾呂崎はあれでも僕の親友なんだからな親友でもいいさ、決して悪いと云やしない。 もしクレオパトラの鼻が少し短かかったならば世界の表面に大変化を来したろうと 人の鼻を盗んで来て顔の真中へ据え付けたように見える。 そんなに威張るなら、なぜ嫁に来る時頭を見せなかったんだ いえ御両人共御存じの事ですよと鼻子だけ大得意である。 この間などは赤ん坊にまで甞めさせまして……ジャムをですかいいえ大根卸を……あなた。 御話は違いますが――この御正月に椎茸を食べて前歯を二枚折ったそうじゃございませんかええその欠けたところに空也餅がくっ付いていましてねと迷亭はこの質問こそ吾縄張内だと急に浮かれ出す。 君にゃ分るかも知れんが、僕にゃ判然と聞かん事は分らん